『私(院長)が40代前半の頃、日本はバブル。
ところが当院は、それとは無縁で何がバブルなのかな。と感じながら毎日を過ごして、患者さんもすごい金の腕時計、女の人もダイヤモンドのネックレス。札束が飛び交う異常!
私はこんな時でも地道に鍼一本に魂を入れて生きていた。
ある50代のエリート社長、東大を卒業し会社がなんと20個になった。何か笑いが止まらない様子。
六本木の高級の寿司屋に毎日通い「あそこの焼きトロが美味しいんだよね。」
この人、このままどんな風にすごくなっちゃうんだろう。
頭はいいし、色男だし、果てしなく夢が広がっている様子。しかしバブルが崩壊すると、この社長、治療室にもおいでにならなくなる。
風の噂によると心筋梗塞で59歳で亡くなったとのこと。
すごい人生だな。この人にとっていい人生だったのかな。
そんな中、鳴かず飛ばず毎日患者さんの病気と格闘し、そして世の中落ち着いたと思ったらライブドアというホリエモンという社長。六本木ヒルズを舞台に訳の分からない金まみれの世の中がまたやってくる。
そんなことも関係なく我が道を行く。
一本の鍼で私は地道に毎日を勝負している。
また少し世の中が安定すると今度はコロナ騒ぎ。
色んなことがある。
「一本の鍼で治すことだけを考えて生きろ!」と必死に自分を激励している。
金を追いかけたり、大きな家に住もうと建てたものの、部屋が20個もあって、妻と離婚したら一人ぼっちで寂しいなんて訳のわからない人が多い。
金も少々。お家もそんな広くないほうがいいんじゃないかな。
「幸せとは何か」をこんな時期は心静かにして考える時代が到来した。
私は相変わらずマイペース。どこも体は悪くない。歳も感じていない。長いレールの上を蒸気機関車のようにきっとどこまでも走り続けるだろう。わたしには終わりはない。』

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