「咽頭ガンで何を食べても、今まで好きだったカルビ、今まで好きだった中トロ、今まで好きだったウニ、今まで好きだったシャンパン。全部味気が無いんです。お医者さんは、放射線の副作用だったら2、3週間で戻るんだけどねぇ、と」
味気がなくなって7、8ヶ月経ってから川井鍼灸院へ。
院長『これは放射線じゃないね。鍼だけじゃこれは治らないよ。なにか誰にも言えない凄いストレスをかかえているね』
この患者さん、ちょっとイライラしている。
「なんでそんなに根掘り葉掘り聞くんですか。尋問みたいに」
院長『私の治療は人間まるごと治すんだよ。つまりなかなか治らないものは相当に心の中に怒りを抱えているんですよ。だからどうか素直になって。治すために色んなお話を聞いているんですよ』
なにかイライラがつのっているらしく、帰りたそうな雰囲気。
院長がまた質問すると
「先程も言ったでしょ!よく聞いてないの?」
と凄い口調。
『あのね、テレビで刑事コロンボってあったけど、一度戻ってきて「そうそうもう一度聞くけど〜」ていうシーンがあったけど、すごく重要なことって何回も聞くことがあるので、イライラしないで答えて頂けませんか。』
30分後、すこし心が落ち着いた様子。
「先程は失礼しました」
すこし納得した感じ
『あなたのことは必ず治しますよ。色んな質問をしますが、治すためのお話だと思って、心を穏やかにしてくださいね』
今日もこんな患者さんからスタート。
簡単な人は来てくれません。なかなか治りにくい人は心の問題を抱えているのです。
院長は今日も気合が入っています。

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