スタッフ「院長の20代の頃の話をお聞かせください」
『ハワイに25歳で渡った私(院長)は27歳で日本に戻り、鍼灸学校の同級生のI 君が茨城県の鹿島である鍼灸マッサージ院にアルバイトしているとのこと。それを聞きつけて、私もしばらくの間お世話になろうと3か月居た時の話。
I君は少し気が弱く、ヤクザの大親分の住んでいる家に往診を頼まれ行ったが力が弱く「もっと力が強く上手な人は居ないのか」と治療院に苦情があり、私(院長)が申し出て「I君のためにもしっかりやってこなければ!」
こういう場面の私は子供のころから燃える性格で、玄関の呼び鈴を押して入ると子分が迎えに来られ手を引っ張られて親分の所に連れていかれる。きっと私が全盲だと思ったのだろう。親分は背中に入れ墨をしていて迫力満点の人だった。
「さて、それではうつ伏せになってください」
「強い指圧を頼むよ!」
格闘技の選手のような立派な体格。
「2時間ほど背中腰を中心にやってください」
と言われ、これじゃあ気の弱いI君はきっと力もないし怖気づいて途中交代で私が来た意味がよく分かった。私は逆に、もうちょっと力を弱くしてくれないかと言われるよう30分凄い形相で施術に入った。
親分「あなたはすごい力だね。初めてだよ。少し休もうか」
子分に「お茶でも持ってきてー!…先生はどこで修行されたんですか?」
『私は青山で開業していて、アメリカでやろうと思ってハワイに2年居たんですがビザが取れなくて。日本に帰ってきたところです』
「毎日来ていただけませんか」
帰りにいろんなプレゼントを頂いて、何かその道の人に私は好かれるんだなあ。芸能人でも座頭市をやった大物に好かれ、人間て気が合うとどの道の人にも可愛がられる、芸(技術)は身を助ける、ということを今日は面白い話として紹介します』

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