「院長が東洋鍼灸専門学校に行ってるころ、院長の級友はどんな人達が多かったですか?」
『この学校のレベルの高いことには驚いたね。みんな凄い大学を卒業し、中退し、東洋医学に憧れて入って来た人が大半で、あとは親が鍼灸院で跡継ぎ。私みたいに野球で片方目を失明しちゃったから鍼でもやるか、という投げやりな気持ちで入って来た人は居なかった。
何しろびっくりしたのは難しい言葉が飛び交う。虚実補瀉、脈をとりあい鍼を刺し合い脈が浮いてる沈んでる。凄いとこに来ちゃったなぁ。凄い仲間に感化された。
そんな級友の何人かと今度長瀞に行く。50数年も経っているのに、鍼談義、そしてそれぞれの臨床での治療のやり方、これを交換し合う。学生時代から変わっていないな。憧れて入った職業だもんね。みんな自然に学生時代の思い出話が出るだろうけど、いつも臨床での患者さんの体験話、そして学生に戻った感じでお互いに鍼を打ち合う。
変わってない。なにか久しぶりでも若い時の気持ちが未だに変わってないんだなぁと実感すると思うよ。』

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