若い頃の往診、故勝新太郎さんとの思い出
東京プリンスホテルで相撲をやって仲良くなった私(院長)は勝さんに絶大な信用を受け親しくなり、ちょうど22歳でした。
時々真夜中の往診依頼がありました。
私(院長)はいつも、夜の11時過ぎから飲み屋さんでお酒を飲んでいました。
故勝新太郎さん、六本木の事務所の社長室にソファーベッドがあり、そこで飲み過ぎたのでしょう。
「足と背中が重い。」スタッフに揉ませたが効かない。
「関取を探せ。」関取とは川井院長のことです。
お弟子さんは川井院長の飲み屋の情報を常に仕入れていたため、真夜中の2時過ぎに若者のスタッフが「川井先生、勝先生がお呼びです。」
だいぶ飲み過ぎて足と背中が痛いとのこと。
『俺はだめだよ。ボトル一本飲んでるから仕事にならないよ。』
「すいません。お願いします。」
拉致されるように私は車に乗せられ社長室へ。
私が来るまで一生懸命マッサージしていたスタッフが、ホッとしたらしく「先生、お願いします。」
すごいいびきで寝ている勝さん。
『なんでこんなにいびきかいてるのに私が必要なんだろう。あー、手触りが違うのかな。』
15分、私(院長)が指圧をしているといびきがスヤスヤに変わったのでもう寝たな。と思ってドアを開けて帰ろうとした瞬間、あの座頭市の声「まだ起きてるよ」その声に戻され、もう15分。
もう完璧に寝ただろう。
そんな日々が、毎日のように続きました。
故勝新太郎さんに信頼され、可愛がられている気がして縁の不思議さに今、外のテラスでスタッフと昼食をとっているときに若き日のことをふと、そよ風の気持ちの良さで感じました。
本日の担当、スタッフ玲香

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