経絡治療という古典にのっとった治療をやっている若者鍼灸師「私はこういう時期に、鍼灸でこの先、生きていけるのか?不安な思いでお話したくてお電話しました。」
「私の本を読んだことがありますか?『治さなければ患者はこない縁と運』この本の表紙をみて、ある大物の医者が『まさに!』とネット上で言われたことがあります。
ちょっと若い頃の話になりますが聞きますか?
一方的に話しますよ。
私は東洋鍼灸専門学校の2年生、19歳の時、
故西澤道允(ニシザワドウイン)先生という漢方概論の日本の第一人者に脈診を教わっていました。
故西澤道允先生はすべての生徒の脈をみた後
私(川井)の脈をみて「あなたの脈は肝実。こういう脈の人はめったにいない。」
そこで級友たちがしきりに私の脈をみる「あー、これが肝実!」
わかったようにすべての生徒は同じことを言っていた。
それを尻目に、私はこの大先生でも思い込みがあるのかな?
これは思い込まないでこの鍼灸道を進まなければ!
それから私は、治す、治ると言う言葉だけを信じ、
徹底的に臨床勉強していこう!
学問、理論にとらわれず、治す、治るを掲げている先生を訪ねて、体で教わろう。
それから30歳、鍼専門の治療室を開き、治さなければ患者さんは来ない、と言う事を体で感じ、心で感じ、理屈など言っている場合ではない。
自分で新しい治療法を開発しなければ!だから人よりも思い込まないで、しっかりものを見極める、感じる考える、これは19歳と今、73歳になろうとしている自分はほとんど変わっていない。
治る治す治療法を求めて、理論に縛られず、常識に縛られず自由な想像の中で、患者さんと一体になる密教の教えである『入我我入』ここからヒントを得て、いかにして患者さんと一体になれるか死ぬまでその追求をしている。
私の治療は決してかっこいい治療ではない、難しい理屈もない。でも来た患者さんは必ず治す。
これだけの世界の中で私は生きている。
一方的にかっこいいこと言ったけどホントのことなんだよ。
だから誰にも教わったことはないし研究会も行ったことがない。
だから自分で考えて悩んで感じて生きていく以外ないんじゃないのかな?
それだけしか私には言えないよ。一方的な話で失礼します。」

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