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【2017/10/18 10:50 】 |
無題
今朝のミーティングは、スタッフの28歳の綾香と30歳の山本が院長に「院長が私達くらいの若い頃はどうだったんですか?」と質問したところ
「いやーその話をすると長くなるけどいいか?」
と治療室にある神棚の前で約30分熱弁をふるうミーティングになりました。
今回はその内容を書きます。
『俺は当時、鍼専門治療に踏み切った頃だったがまだまだ技量は不十分で、患者の病気が治せずに大きな壁を乗り越えられないでいた。
首や腰のヘルニア、あるいは脊柱管狭窄症患者は、脊髄の中枢神経のその先にある腕や手、あるいは脚の酷いシビレや痛みに苦しめられる。そうした患者には、ツボや経絡のオーソドックスな治療を施しても治すことが出来ないでいたんだ。これはテクニックの問題などではなかった。
この頃、エリート官僚で大臣秘書官をしていた患者が居た。優秀な人で交友関係も広くて、それまで多くの患者さんを紹介してくれ、鍼灸院に貢献してくれた重要な顧客だった。
その患者が、ひどい椎間板ヘルニアとなって治療を受けに来たんだ。歩くのも苦しそうで、かなりの重症だった。
俺は「五回治療に通えば、だいぶ楽になりますよ」そう説明して治療を開始した。患者は三回までは通ってくれた。だが三回の治療で顕著な改善がみられなかったんだろう。
「先生は良い人だけど、他へ行ってみます。」
患者はそう言って去って行ったんだ。鍼師と患者とは、若い男女の別離と同じだと思った。自分の無力ぶりが悔しかったよ。空かった。
このヘルニアや脊柱管狭窄症患者の治療の壁を突破出来ないと、鍼だけで生きていくことは出来ない。この人を治せる、神様のような人が居るなら教えてもらいたい!ひざまずいて土下座しても教えてもらいたいと心底思った。
三年間くらい必死で考えて、苦しみ、悩み続けた。
そんな時、出身校の東洋鍼灸専門学校の同窓会があったんだ。
専門学校の卒業生はそれぞれの出身地などの地方に散っていて、一学年の定員が30名程度の少人数だったから、二学年合同の同窓会だった。
恩師たちが座る前の席に、つぼみを開きかけた五分咲きの桜の枝が大きな壺に差してあったから、3月末か4月初めの春爛漫の季節だったかな。
出席者は30人くらいで。座が盛り上がるにつれて、理事長(創立者である柳谷素霊先生の未亡人)や経絡治療の大御所である小野文恵先生を囲んで、秀才や論客たちが鍼灸論や経絡治療の成功談に花を咲かせていた。
治療技術で悩みに悩んでいた俺にとっては、(何とも歯の浮くような上っ調子の話をしているな)という気がしてならなかった。
頃合いをみて、小野文恵先生の前の椅子にドカッと座って
「先生、まったく不躾な質問ですが、頚椎ヘルニア、腰の椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症患者の手足の痛みとしびれは、経絡でもツボでも何でも構いません。どうしたら治せるでしょうか?教えてください」
と、単刀直入に質問してお願いしたんだ。
周囲にいた同窓生たちが、怪訝な表情でいっせいに俺へ視線を向けた。隣に居た佐藤君が、「川井君、経絡治療の大家の小野先生にそんな質問は失礼だろう」と、横やりを入れてきた。
俺は腹のなかで、(このヤロー、勘定を払う時にはポケットに手を入れたままで、オレに金を払わせるくせに。何だ、格好つけやがって!患者もろくろく治せないくせに。一生食えないぞ)と思った。
さらに、佐藤君の後ろにいた神田君も、「川井君は指圧とマッサージが得意だったよね。鍼灸は脈証をしっかりとって、肝虚腎虚をていねいに読み取れば、かなりの領域はカバーできるはずだよ」と、まるで何もかもわかったような口をきく。
俺は(こいつに指圧とマッサージを教えたのは俺なんだよ!お前にマッサージが上手だなんて言われたくないよ。牛乳飲んでパンをかじってやっと生活していたくせに。生活に困って俺に泣きついて、ころがりこんできたじゃないか…。俺が散々世話をしてやったのに!)と、怒りがこみ上げるのを辛うじて抑え、さらに質問を続けた。
「先生!私はこれが治せないと生きていけないんです。どうか教えてください」ともう必死で頭を下げて懇願した。恥も外聞もなかった。
「川井君は、ずいぶん率直な人だね」と言って、小野先生は静かに笑っているんだ。
同じく同窓生の土井君が「オレ、鍼研究学会に入っているけど、川井君も入ったら。ヘルニアを専門に研究している人も居るから、勉強になると思うよ」と、上から目線でアドバイスをするように言ったんだ。この土井の言葉に、俺の抑えていた堪忍袋の緒が切れた。
「私は苦しんでいる患者を治したいんだ!」
すっくと立ち上がった俺は、思わず叫んでいた。
「本当の治療は実践、体験を通して患者の身になり、心になること。言葉、色、身体、五感のすべてを使って、やっと伝わるものなのです。みんな、理論、理屈の世界から抜け出すことをせず、カッコばかりつけて生きている。だから、あなたがたは貧しい風景の中で立ちすくんでいるのです」
空海が言い放った言葉が思わず口をついて出た。その場は一瞬座が白け、静まりかえっていたよ。
それから2ヶ月後に新しい矯正鍼法を生み出すことが出来たんだよ』
朝の8:00過ぎから8:45まで話続けた院長。
最後に、「長谷川!お前はココのフロントだ!顔は悪いけど。高橋!お前はバックだよ。まぁ二人とも同じようなもんだ。」
本当に口の悪い院長です。

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【2016/05/17 12:13 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0)
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