90を超えたおじいちゃん。「最近は足腰が弱って」と言いながら、「治療室の帰りにウナギ屋さんに寄って帰るんですよ」と言いながら長い年月通っていた。95歳を迎えたころから気の巡りがめっぽう悪くなり、足に打つ鍼があまり感じなくなってきた。ずいぶん気の巡りが悪くなってきちゃったなぁ。その後、徐々に体力も弱りとうとう治療室にも来れなくなってしまいました。
私も長い年月、気の巡りの良い人・気の巡りの悪い人を治療しながら、いま77歳の人工透析寸前の人を治療している。
この方はクレアチニンが10と途方もない値が出ているが、一向に食事を気にする様子はない。
医者はどうにかそろそろ透析をと何度も何度も患者さんに呼び掛けているのだが、透析をしようという返事はない。好きなものをいつも食べてマイペース。しかし本人はいたって健康。顔色もよく、お医者さんが「何でこんなに元気なんだろう?鍼をやっているからかな?」
付き添いの奥様が調子悪くって付き添いができなくても一人でやってくる。顔のむくみも無く、足のむくみも無く、顔色は病人とも思えない。院長は脈を診ながら、こんなに数字が高いのに気の巡りがすごい!気がしっかりめぐると、黒目は輝き元気そのもの。足早に帰る姿につくづく気が巡るということはクレアチニンの数値とは関係がないのだろうか。
本人はいたって元気な様子。
「院長!明日は魚釣りに行って参ります!」
とても病人とは思えない。
もう一人の腎臓の患者さんはクレアチニンが1を超えた時点で、「鍼をやりながら塩分を控えたら健康体の数値に0,0幾つになったんです。」
せめてもこの患者さんのように塩分だけは控えて、鍼治療に通ってほしいと思うが患者さんはマイペース。奥さんもあきらめがち。数十年やって、気というもの、気が滞った人は若くっても年をとった人でも痛みも取れなければ元気も出ない。人間は心配事があると顔色もどす黒くなり、黒目もかすむ。こんな重症な人が顔色も良く黒目も輝いているのは、やっぱし人間は気なんだなぁ。あとは食事さえ気を付けてくれると、そんな風に思うのだが患者さんはマイペース。この患者さん、今週も魚釣りに行くとか。すごいパワーだなぁ。きっとお医者さんのほうがショボーンとしているんだろうなぁ。

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