今日は休みでテレビで「座頭市物語(勝新太郎さん)」を観ながら、21歳の頃を思い出した。
私の常連の患者さんで勝新さんのお弟子さんが居た。お弟子さんの家で私と同じくらいの俳優さんたちを治療していたら、その人たちが急に座敷の上でふざけて相撲をやっていた。
私も同じくらいの年で治療に行ったのに相撲に参加することになった。子供のころ相撲取りになりたいと思っていた私は少し自信があったので、同じくらいの年の俳優さんを次から次へと投げ飛ばした。
「今度うちの親父さんと相撲とってみない?」
と治療が終わった後そんなことを言われ、なんのことか意味が分からないなぁと思いながら、次の日仕事の電話が鳴った。
「あなたですか?相撲が強い鍼の先生とは」
あの太い声で、座頭市の勝さんからの電話。
「良かったら今日、東京プリンスに来ない?鍼と相撲の出前を頼みますよ」
と言われ、プリンスホテルに。そうしたところ、大きな部屋に大勢の若者俳優が見学においでになり、代わりにバスタオルで丸く土俵を作ってあった。
「相撲を先にする?鍼を先にする?」
とあの勝新さん。思わず私は先に相撲をすると疲れちゃうから『鍼を先に』
そんなことで相撲をとる羽目になった。立ち合いから5番勝負とのこと。わたしはちょっと自信があったので、すぐもろ差しになり、最初はつり出しで勝ち。その後、勝さんが本気になり4番連続で負けた。
その後
「これからは治療を一生頼むよ」
と言われ、こんなことで人というのは縁が出来るんだなぁと思いながら、今日休みに座頭市を観ながら若いころの不思議な縁を再度思い出した。

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