「冷えと気のことについての関係を院長は臨床ではどう捉えていますか?」
『冷えというものはまず、飲食物、冷たいものを摂って体が冷える。あと外界からの冷え、寒さで体が冷えて気の巡りも悪くなる。もう一つはストレスから体の中が冷えて気の巡りが悪くなる。この3つに分類されるかな?
この3つがある人はなかなか治りにくいよね。いつも思い出すんだけど、ある40代の患者さん。週に1回ストレスが溜まって治療においでになる。
『なんのストレスなの?』
「妻との関係がうまくいっていないんです。」
その後それから3年経過して久々に治療室においでになった。
『やっぱし腰が痛いの?あなたは感じにくいからなぁ。太い鍼じゃないと効かないかな?しかし久しぶりだから小さい鍼でやってみましょう』
なんとこの人は人間が違うんじゃないかというくらい
「すっごくズシンときて、もう動けないですよ」
『あなたは随分変わったね!何かあったの?』
「妻と離婚したんです」
『気持ちが楽になったんだねぇ』
長い50数年の臨床経験の中で、もう一人。
「顔面神経麻痺で他の鍼灸院で7回も治療したんですが、全然良くならないんです」
という21歳の患者さん。
『あなたはよっぽどのストレスだね。何があったの?』
なかなか自分の口では言おうとしない。無口の人なのです。私が立て続けにこれが原因?これが原因?家族?妹さん?
そしたら目から涙。あぁこれで気が緩んだぞ。まともな体になったぞ。それから3回。この子は顔の麻痺が綺麗に治った。
長年やっていて体の中をはしっている気。気持ちも冷えと関係している。病気は“気の病”と言うけど、本当だな。
だから澄み切った空のような人は、すごい勢いで免疫細胞が働いてくれて治す力が出るんだな。
臍下丹田に力を入れて、肩の力を抜いて深呼吸をすると、ある程度気の流れが良くなり気が充実する。
こんなことを最近患者さんにやってもらっている。なにしろ悩みのない人は居ないが、ある程度これが悩みの原因だと思うということを話してくれる患者さんは、意外とどんな病気も治りやすい。心と体、本当に密接な関係がある。
あなたは日頃から臨床に携わっていてそれが感じるようになった。それはすごい進歩ですよ』
と院長。
